「創作ジャンルはBL」と明確にしている作家のうち、鳥人ヒロミほど物話で読ませる作家はそういないのではないでしょうか?もちろん一成分として、セックスシーンも含まれてはいますが、やはりメインは主人公プラスその周囲の心理描写です。
特に、本作には、重い過去を背負った喜瀬川に佐伯がどこまで腹括って付き合えるのか、いつまで放り出さずにいれるのか、という一種の持久戦のような雰囲気があり、それについての佐伯の葛藤なんかはかなりリアルです。異性愛者でも十分共感でき、すとん、と「腑に落ちる」恋愛のエトセトラがたくさん詰まっているのです。
…と、ここまで持ち上げておいて評価が星3つなのは、このころはまだ絵が今ほど巧くないからです。これから数年後の鳥人氏の作品を見れば、妥当な評価だと思います。