神もたたりも畏れぬ人間とは、死ぬのが怖い卑怯者であろうと思う。魂の存在を信じぬゆえに死ねば一巻の終わりと思う、だから死を恐れるし、人間の精神の力も見くびっている。結局、はかない野のバラのようななよやかな娘が実は一番度胸が据わっていて、死を恐れず恋を全うし、愛を結晶させる大いなる力があった、というお話。
『正しい決断』を下すことはいつでも、誰にとってもむずかしいもの。それを悟るために人間は生まれてくるのかもしれない。「愛も幸せも単純だ。だが単純さを保つことは人間の世界ではむずかしい。」至言です。
<花の贈り物>風変わりで知られる著者の作品の中でもとびっきり意表をついた設定の珠玉の小品。
人間を愛してしまった小さな花・バイオレットが、お花の世界の『政策』によって永遠に生きる人間に変えられ、人間の愛と幸福を不器用に捜し求める物語。長い年月と試行錯誤の末ようやく探し当てた愛する「あの人」に見つめられ、「あなたの手の中の花になりたい」と思ったとき、バイオレットは初めて本当の愛と幸福をみつける。 ちょっとこれはすごすぎるこの作家は死に対しての独特の洞察が見られる。おそらくそれは既成の宗教の影響によるものだろう。そのこと自体はあまり珍しいことではなく、また同じような感性を持った人間はあまた居る。だが。コミックの表現媒体でここまで表現した作家はまったく皆無である。多くの類似した感性の持ち主は彼女の作品にある種の昇華を感じるであろう。
私は彼女の作品を、死ぬまで読み続けることをひそかに誓ったほどである。